神様、私が何をしたっていうんですか…?!

































忍足くんに『学校でもよろしゅうな宣言』をされて、早1ヶ月。

いつの間にか他のテニス部レギュラーにまで紹介され、『忍足の妹キャラ』として認識されてしまった。

っていうか、『妹キャラ』って何ですか?『妹キャラ』って…!

それより私、忍足くんとは同い年なんですけど!

童顔がそんなに悪いのか?!老け顔めっ!!!


ー、また来てるよ。忍足くん」

「……逝って来ます」

「………生きて帰って来い」


親友のりっちゃんが、同情の眼差しで送り出してくれる。

でも予想外だったのは、クラスのテニス部ファン。

最初は殺されるかと思ったけど全然そんな事は無く、むしろ私たちのやり取りを生暖かく見守ってくれている…らしい。

忍足ファンの笹部さん曰く

『だってさんいなかったら忍足くんクラス離れてるし、滅多にこの辺通ってくれないじゃん』

だ、そうだ。

他のテニス部ファンも同意見らしく


『ほら、このクラスってテニス部レギュラーいないし、接点ある人もいないでしょ?』

『そうそう、ちゃんのおかげで皆通りかかったら挨拶してくし、わざわざ顔出してまでくれるんだよー!』

『私たち、彼女になろうなんて高望みはしてなくて…一目見るだけでもその日は幸せなの』

『っていうか現実的に考えて、あの人たちと付き合えるとは思ってないから』

『跡部さまも忍足くんも、観賞用だもんねー』

さんもペット状態だしー、安心安心』


………らしい。

ファン心理って、よく解からない。

ちなみに私との会話で、好みの食べ物等の趣味思考なんかの生情報が入るのもポイント高いそうだ。

正直、人の会話盗み聞きされまくりなのは、気分が悪いけどしょうがない。

まぁ、虐められないだけ、マシ……だよね?

でも


『あ、このクラスは穏健派揃いだから良いけど、他のクラスの過激派の子たちには気をつけてね?』

集団で囲んでリンチなんて話も聞くからねー』


なんて、さらりととんでもない事も忠告されたんだけど。

まぁ、まだお呼び出しは食らった事は無いし、気にしない気にしない………気にしたくない。


ちゃん」

「……なんですか?」


こっちの苦労も知らず、忍足くんは今日も胡散臭いほどの爽やか笑顔を振りまいている。

忍足くんは、毎休み時間…ってわけでもないけど、わりと頻繁にたいした用も無いのにやって来る。

他のレギュラーの人たちも、忍足くんほどでは無いけど通りかかったらわりと挨拶したり何かしら話したりするので、似たようなものだ。

自分に勇気と度胸があったなら、『もう、私に関わらないで下さい』って言えるのに…!


「ほら、この前の結婚式の写真。よく撮れてるでー」

「あ、本当だ。綺麗……」


ウェディングドレス姿の従姉が、世界一幸せそうに写っている。

本当に、この新郎さんが忍足くんの従兄じゃなかったら…!


「せや、ちゃん、今度の日曜ヒマやろ?」

「何ですかその確信したような言い方。……確かにヒマですけど」


ええ、どうせ暇人ですよー。


「じゃ、決定やな。日曜は新婚さん宅突入や!昼飯ご馳走してくれるらしいで」

「は?」

「なんや、聞いてなかったん?新居に遊びに行くて約束してたらしいやん」

「いや、それは確かにしたけど……」


確かにしたんだけど…!


「忍足くんも、一緒なの?」

「もちろんや!その日ちょうど部活休みでなー」


そっそれは嫌だ…!

でももちろんそんな事本人目の前にして言えるはずも無く……。


「じゃ、日曜なー!」


あれよあれよという間に、日曜日の約束を取り付けられてしまった。

私の馬鹿ー!チキンー!断れよっ!!!

今更嘆いても、仕方ない。







日曜日、デート(?)決定です。











+++あとがき+++
『他人』は、一度書くと止まらなくなります。
プロット全然考えてないのに…;;
むしろ、自分はその方が進むのかもしれない…って最近思ってきたんですが、夢書きとしては駄目ですね。。。
文才が欲しい今日この頃です。

こんな駄文をここまで読んで頂き、ありがとうございました!







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