「なあ、跡部ーなんであんな奴マネになんかするんだよ!」

「アーン?」


部活終了後のテニス部レギュラー専用部室。

珍しく跡部に話しかけた向日の言葉に、跡部は眉をひそめた。

今日マネにした、の事を言っているらしい。


「あんな激ダサで無愛想な奴がマネなんて、俺嫌だからな!」

「真似すんなよ…」


激ダサを真似された宍戸が、微妙な表情で向日に抗議する。

だが、当然向日はそんな抗議など聞いちゃいなかった。


「あいつ、美依奈が話しかけてもほとんど反応無しじゃねーか!」

「その美依奈が推薦してんだ、諦めろ」

「でもっ…!」


尚も食い下がろうとする向日に、忍足がそっと嗜めた。


「諦めぇ、岳人。美依奈一人でマネの仕事も、そろそろ限界なんやから」

「…………だったら、一人でも大丈夫だったのに」

「岳人!ええかげんにせい!」


珍しく声を荒げる忍足。

だが、向日はそんな相棒にも視線を移さず


「俺、やっぱり納得いかないから」


―――そう一言だけ静かに呟いて、一人部室を後にした。


























「―――ったく、ガキが」


吐き捨てる跡部に、2年の鳳が「でも…」と、言い辛そうに呟いた。


「俺も…向日さんの気持ち、なんとなく解かります。これ以上部外者を入れるのは、気が進みません」

「長太郎…お前まで何言ってんだ」


宍戸が嗜めるように言うと、鳳は素直に頭を下げた。


「すみません。でも、マネがいなきゃ困るのは、解かってますから」


そう、跡部たちの判断は正しい。

これ以上、マネージャーの不足が続けば、レギュラーや他の部員の練習の妨げになりかねない。

自分の面倒は自分で見るという方針でマネージャー初心者の玉城のフォローをしてきたが、それだけではやはり限界があった。

タオルやドリンク程度なら各自で用意できたが、練習試合のスケジュール調整やスコアチェック…その他雑用などは、必然的に部長である跡部に負担がかかっている。

跡部は今までの疲労までも吐き出すように、ため息を吐いた。

転校してきたばかりとはいえ、前の学校でマネージャー経験があるというのは、正直ありがたい話だった。


「まぁ、が起きるまでの辛抱だ。……おい、着替えたんならとっとと帰れ!」


『鍵閉めらんねぇだろうが!』という跡部の怒声で、その日のテニス部は解散した。










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+++あとがき+++
のろのろ展開ですみません;;
キャラが出たと思ったら、ヒロインが出てこない…(吐血
ご、ごめんなさい;;
なんか、自分の想像してたのとは違う話になりつつあります。。。
がっくんがあんなに拗ねるとは、予想外。
この先どうなるんでしょう?(←無計画
………生暖かく見守ってやって下さい。

こんな駄文をここまで読んで頂き、ありがとうございました!