15:抜け出せない
「……ねぇ、イザーク」
「なんだ」
「こんなことする意味、あるの?」
「…………俺に訊くな」
その答えと共に、イザークは深く深く溜息を吐いた。
それにつられて、彼の近くにいた、アスラン、ニコル、ディアッカも、深く深く溜息を吐く。
今はザフト軍アカデミーの訓練の真っ最中だ。
その生徒である彼らももちろん訓練に参加しているのだが、今回の訓練はいつものそれとは一味も二味も違った。
今回の訓練は、地球降下(しかもジャングル)を想定した訓練なのだ。
そのため、彼らは今、ジャングルを歩いていることになっている。
しかも、文字通りの泥沼を。
「…ゴールって、どこだっけ?」
「まだまだ先のハズですよ」
の問いに、ニコルが疲れた表情で答えた。
まるでヘドロのような泥沼は、少し進むだけで相当の体力が必要だ。
後ろから続いて来るハズの生徒の姿も見当たらない。
リタイアしたか、身動きが取れなくなったか……。
すでにアカデミーでトップクラスの彼らエリート集団も、進むにつれてどんどん身動きがとれなくなってきている。
体力的にも精神的にも、もう限界が近い。
これは、非常にマズイ気がする。
「最初の方でリタイアしとくべきだったかも……」
「確かに…」
のつぶやきに、それぞれ力なく頷いた。
すぐさまリタイアしておけば、救助も早く来てくれるだろう。
だがここはちょうど中間地点付近だ。
この位置だと、救助は一番後回しにされそうだった。
「大体さぁ、オレたちがこんなジャングルに降下することって、あんのかよ?」
ディアッカが愚痴をこぼす。
現在の戦闘は宇宙戦が主なのだ。
そして彼らのようなエリートは、多分宇宙に配属される。
こんなジャングルに降下するなんてことは、多分無いに等しい。
アカデミーもよくこんなセット作ったなぁと、怒りを通り越して呆れてくる。
「っていうか、こんなのMSでひとっ飛びじゃないの?」
「…それを言ったらお終いだろ」
「あ〜っ!やってらんねぇ!!!」
寝っころがって駄々をこねたい所だが、場所が場所だけに無理なことだった。
それ以前に身動きがとれない。
はぼんやりと何でこんな事になったのか思いを巡らせた。
ラスティなんか、とっととリタイアしたっていうのに…(←無論サボリ
「…イザークが突進してくから」
「俺のせいだって言いたいのか?!」
の呟きにイザークが咬み付く。
「だって…ねぇ?」
「なぁ」
「ええ」
「ああ」
イザークが突進していって、それにつられて彼らもこんな所まで来てしまったのだ。
たちに言わせれば、イザークが悪いに決まっている。
「きっ…貴様ら〜〜〜!!!!」
イザークがぎゃいぎゃい叫んでいるが、いつもの暴力は無いので恐くない。
殴りたくても殴れない今の状況に、イザークは歯噛みする。
「教官たちいつ助けに来てくれるのかなぁ…?」
イザークを無視して、遠くのお空を眺めながらが呟く。
早くこんな所抜け出して、シャワーを浴びたい。
「それよりも、助けに来れるんでしょうかねぇ?」
スタート付近で右往左往している生徒が百人以上いるのだ。
それをまずなんとかしなきゃ、こっちまで手が回んないだろう。
せめてもの救いは、仲間が一緒ということ位か……。
未来のエリートパイロットたちは、より一層深々と溜息を吐いた。
抜け出せない…。
「…さっさと助けてくれ」
皆を代表したアスランの呟きが、空しく響いた。
+++あとがき+++
い、意味不明…;;
そして相変わらずのドリー無です…。
大体お題の使い方も捻りがないし;;
ダメ出しすると止まらない〜。。。
ごめんなさい…!