02:諦めるのは






























「あ〜、ダメだぁっ!」


「ほら、そんなこと言ってるヒマがあったら、手を動かす」


「う〜〜」


課題をあっさり投げ出そうとするを、アスランが励ます。


「はい。次はこっちの端子をそっちに接続して……」


てきぱきと指示を出すアスラン。

流石学年一位だ。

手際が良い。

だがは、もうすでに諦めかけていた。

まだまだ、やることはあるのだ。

こんなちまちまとやったって、絶対に終わりそうにない。

やっている課題が苦手な電子工学なら、なおさら終わる気がしない。


「やっぱり、終わりそうにないよ〜〜〜!!」


手伝ってくれているアスランには悪いが、つい弱音を吐いてしまう。


「そんなこと言うなよ」


作業の手を休めずに、アスランが応じる。


「大体、課題をずっと後回しにしたが悪いんだから」


「うっ」


痛いところを突いてくる。


「後回しにしてたんじゃないもん。忘れてただけだもん」


言い訳にもなっていない言い訳を一応言ってみるが


「どっちも結果的には同じ事だろ。ほら、さっさとやる!」


学年一位の優等生様は、そんなことで騙されてくれるワケもなかった。


「でもぉ〜」


課題は明日までなのだ。


きっと、絶対、終わらない。


「人間諦めたらお終いだぞ」


なんだか説教臭いセリフを言うアスラン。

『お前はいくつだ』と訊きたくなるほど、その言葉は説得力に溢れていた。


「大体はいつも………」


「解かった!よ〜く解かりました!やりますからっ!」


さらに続けられそうになるお説教をは慌てて止めた。

こういうお説教は、長くなると相場が決まっているのだ。

そんなことで時間を潰す余裕と気力は、一秒たりとも今のには無かった。

『人間諦めが肝心だ』と、アスランとは対極することをつい思ってしまうであった。

作業に戻るを見て、アスランは満足そうに微笑んだ。


「あと少しなんだから、諦めるのはまだ早いぞ」


「諦めるのは……ね」


やることやってダメだったら、後はもうのたれ死ぬだけだ。

こうなったら、学年1位のアスラン・ザラ様に賭けるしかない!(←他力本願


「頼りにしてるんだからねっ!」


「はいはい」


時々他愛も無い言葉を交わしながら、作業を続ける二人。





























諦めるのは













まだ早い!






























+++あとがき+++
っていうか、夢じゃないYO!
ごめんなさい。いつものことながら恋愛要素皆無です;;
友情夢みたいなカンジでしょうか…?

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!